食べると美味しい! アメリカナマズ 捌き方のコツ(三枚おろし)

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「ナマズを食べる」というとあまりピンと来ない人も多いかも知れませんが、ナマズは海外ではフィッシュアンドチップスなどで食べられているポピュラーな食材です。アメリカナマズは霞ヶ浦などで比較的簡単に釣れるターゲットとして人気ですが、食べてみると実はとっても美味しいんです! ヒゲが生えたちょっとひょうきんな見た目から食べるのを敬遠してしまいそうですが、勇気を出して食べてみませんか(笑)。今回はちょっとコツがいるアメリカナマズの捌き方をご紹介していきます!

アメリカナマズについて

まずはアメリカナマズがどんな魚なのか、どのようにして入手するのかをご説明します。

どんな魚?

アメリカナマズは1970年代に食用目的で日本に持ち込まれ、茨城県の霞ケ浦などで養殖されていました。ところが逃げ出した個体が大繁殖してしまい、生態系に影響を及ぼすことから現在は特定外来生物に指定されています。雑食性で食欲旺盛なため、霞ケ浦周辺では比較的簡単に釣ることができる人気の釣りターゲットです。釣れるサイズも35cm~50cmぐらいが中心となり、頭部が大きいものの可食部も十分あります。

入手方法

アメリカナマズはとても美味しい魚なのでもっと流通してほしいと思うのですが、残念ながら私はスーパーなどで見かけたことはありません。もちろん地域によっては販売している所もあるかも知れませんが、流通量としては極めて少ないと思います。そのため食べるためには釣ってくるのが一番の近道です。釣り方については以下の記事でご紹介していますのでご覧ください。

持ち帰り方

アメリカナマズを釣ることができたら、美味しく食べるために処理をして持ち帰りましょう。キッチンバサミやナイフでエラを切り、バケツに水を張って投入しておけば血抜きができます。ある程度血が抜けたらクーラーボックスに移し、冷やして持って帰りましょう。

アメリカナマズは特定外来生物に指定されているため生きたままの移送が禁止されています。持ち帰る場合は必ず絶命させてからにしてください。

アメリカナマズの捌き方

アメリカナマズは骨が硬く、さらに表面にヌメリがあるため捌くのにちょっとコツがいります。ヒレにはトゲもありますので注意しながら捌いていきましょう。

トゲに注意!

アメリカナマズには危険なトゲが3本ありますので、まずはその場所を確認してください。心配な方は先に切り落としてしまってもいいかと思います。ちなみに大型になると骨も太くなって刺さりにくくなりますが、小型の個体は先端が鋭利になっているので特に注意が必要です。

背ビレと胸ビレのトゲに注意!

ヌメリ取り ※ポイント!

アメリカナマズにはウロコがありません。その代わりに体全体がヌルヌルした粘膜で覆われています。このヌルヌルした状態のままだと捌くのが大変ですので、まずはヌメリを取っていきます。手っ取り早くヌメリを取るには、熱湯をかけてしまうのが簡単です。熱湯をかけた後は冷水に取って冷やします。熱湯をかけると体表のヌルヌルした成分(タンパク質)が白く固まり、包丁などで簡単にこそげ落とすことができます。ヌメリをこそげ落としたら、水で洗ってキレイにします。

体表がヌメリに覆われている状態
熱湯をかけるとヌメリが白く固まります
包丁でこそげ落として水で洗うとヌメリが取れます

頭の落とし方 ※ポイント!

アメリカナマズは頭の骨が非常に硬いので、頭を落とすには背ビレの後ろから頭に向かって包丁を入れ、胸ビレの手前で腹の方に切り込みを入れていきます。背骨は繋がったままの状態で、身を切っていくイメージです。

背ビレの後ろから包丁を入れるのがポイント

この状態で頭と胴体を掴み、への字に曲げると背骨を簡単に折ることができます。頭の骨と同様に背骨もかなり硬いのですが、このようにすると楽に頭を落とすことができます。

内臓を取り除き洗う

次に内臓を取っていきます。腹ビレの間にある肛門から頭の方に向かって包丁の刃先で切り進めていくと内臓を傷つけずに取り出せます。胃袋や腸の中身は強い臭いがすることもありますので、極力傷つけないように取り除いていきましょう。

内臓を取り除いたら、水でキレイに洗い、水気をふき取っておきます。

ここまで来ればあとは他の一般的な魚と同じです。

3枚におろす

頭と内臓を落とし水気を拭き取った身の背中側から、骨に沿って包丁を入れていきます。ガイド線を入れるような感じで何回かに分けて切っていくといいと思います。コツは骨に包丁の刃が当たるのを感じながら切っていくことです。

背中側を背骨まで切り終えたら今度は腹側を同じように切っていきます。

そして両側から包丁を入れ終えた後は、背中側と腹側を貫通させるように包丁を入れ、頭側に向かって腹骨を断ちながら身を切り離していきます。続いて尾側も切って片側の身を切り離します。

反対側も同様に切り離すと、3枚おろしになります。

最後に腹骨と腹ビレを切り取ります。ここはあまり歩留まりを気にせず、大きめにカットしてしまった方がよいと思います。ちなみにアメリカナマズには血合い骨がないので、これで3枚おろしの完成です。

皮を引く

川の魚は臭みがあるとよく言われますが、皮を引いてしまえばあまり臭みが気にならなくなりますので、調理する前に皮を引いてしまいましょう。アメリカナマズの皮はしっかりしていますので、ある程度の大きさの個体であれば下処理で熱湯をかけた後でもキレイに引くことができます(小さい個体や長時間熱湯をかけ続けた場合はうまく引けない場合があります)。

尾の方から身と皮の間に包丁を入れ、皮を手前に引っ張りながら身を剥がしていきます。

これで柵取りができました!

アメリカナマズの調理方法

3枚におろして皮を引いたら、あとはお好きなように調理しましょう。フライ、から揚げ、天ぷら、蒲焼き、ソテーなど、どう調理してもとても美味しいんですが、一番のオススメはフライです。とにかくフワッフワで脂ノリノリ。そしてその食感やクセのない味わいにビックリすると思います。我が家では普段食の細い子どもたちも、ナマズフライの日は取り合うようにしてアッという間に完食してしまいます。

フライ
から揚げ
かば焼き
ソテー

釣った魚を持ち帰り、捌いて食べるということは子どもの食育にも繋がると思います。魚を捌くということは少しハードルが高いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やってみれば案外何とかなるものです。ぜひこの美味しい魚を味わってみていただければと思います!

(筆者が左利きのため一部写真を反転して掲載しております)

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