非エンジニアで英語が苦手なアラフィフおじさんがPMP®に合格した話(2024年3月受験)

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いまや終身雇用という文化も薄れて転職が当たり前の時代になりました。転職が必ずしも良い選択とは限りませんが、もしもの時に備えて転職を有利に進めるために資格なども武器にしたいところです。今回は、日経転職版2023年7月の「役立つ資格ランキング」で第1位になったPMP®という資格について、自身の合格体験を含めてご紹介していきたいと思います。実際に使用した模擬試験と正答率も公開していますので、受験の際の目安にお役立てください。資格に興味をお持ちの方や、現在チャレンジ中の方の参考になれば幸いです。

PMP®とは

PMP®とはプロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional)という国際資格で、アメリカのNPO法人プロジェクトマネジメント協会(PMI)によってプロジェクトマネジメントのスキルや知識が認定される資格です。取得者は全世界で160万人以上おり、日本でも4万5000人ぐらいのホルダーがいます。資格取得者の平均年収は900万円を超えているとのことで、資格取得を通じて年収アップも期待できる可能性があり、IT系のプロジェクト管理者のほか、コンサルタントなどが好んで取得する資格です。IT系の資格としてグルーピングされていますが、IT業界にとどまらず建設業や製造業などあらゆる業界でその知識やスキルが必要とされています。

プロジェクトマネジメントというと自分には関係ないと思う方も多いかもしれませんが、実はほとんどの人はプロジェクト活動を経験したことがあります。プロジェクトとは、簡単に言うと「期限がある中で、何か独自のものを生み出す活動」というようなことです。身近な例で考えると、旅行などもひとつのプロジェクトと言えます。計画して準備して実行する・・・。自分ではプロジェクトという言葉で意識していなくても、見方によっては立派なプロジェクト活動と言うことができるのです。受験の要件にプロジェクトマネジメント経験が必要ですが、必ずしもIT業界でのプロジェクトマネジメントを経験していなくても大丈夫です。みなさんはきっといろいろなプロジェクトを経験しているはずです。

私が受験しようと思ったきっかけ

私はシステム開発経験のない非エンジニアです。これまでの職務経験は、アウトソーシング会社を中心にいろいろな業務を行ってきました。異動も多かったため、社会人経験が長くなっても自信を持って言える得意分野がなく、次第にそれが私の悩みになっていきました。そんな時に思ったのが、いろいろできることを武器として「何でもできる人」になるという発想でした。何でもできることを証明できれば、胸を張って「何でも屋」と言える・・・。そう思った時にたどり着いたのがPMP®でした。PMP®はプロジェクトを管理するための体系的な手法や知識を持っているプロフェッショナルであることを証明する資格です。つまり、どんなことに対しても体系的なアプローチによって価値を提供したり課題を解決したりできる人。これこそが「何でも屋」のゴールではないかと思って、資格を取得を目指すことを決意しました。資格保有者は年収が高いという情報もありますが、私の場合は特に取得をきっかけに転職して年収を上げたいということではなく、これまで自分がやってきたことに自信を持ちたかったというのが一番の動機でした。

最初に試験結果をお伝えします

【私の経歴】アウトソーシング業界および事業会社で小規模プロジェクトに20年程従事してきたシステム開発経験のない非エンジニア。英語は中学生レベル
【学習時間】82日/175時間(公式研修や受験申請などすべてを含めた時間)
【試験結果】1回目で合格(スコアはAbove Target)


こんな私の合格体験記に興味が沸いた方は、ぜひ続きをご覧ください。

受験を決意する前に考えておいた方がよいこと

さて、受験しようと思ったものの、PMP®試験がどんなものかはそこまで深く知りません。事前に調査を開始すると、先輩たちがブログでいろいろな情報を提供してくれていました。よく出てくる話として以下のようなものが挙げられます。私はこれらの内容を確認し、覚悟を決めてチャレンジを始めました。

PMP®試験の概要

まずは試験の概要です。他にたくさん詳細な情報が出ているのでここでは細かく書きませんが、だいたいこんな感じです。
230分で180問を解くハードな試験で、60問×3つのパートに分かれており、間に10分間の休憩を合計2回取ることができます。合格基準は60%と言われていますが、180問のうち5問は採点されないダミー問題となり、実質175問中106問以上の正解が合格の目安となります。
出題内容は3つのカテゴリーに分かれていて、割合は「人」42%、「プロセス」50%、「ビジネス環境」8%となっています(出題はランダム)。開発手法別では「ウォーターフォール型」50%、「アジャイル型・ハイブリッド型」50%となっています。2021年1月から現在の内容(新試験)になっており、従来のウォーターフォール中心の出題からアジャイル中心へとシフトしています。今後また変更になる可能性もありますので、受験の際は最新の情報を確認してください。
試験内容は様々なシチュエーションで「プロジェクトマネージャーとしてどうするか?」をひたすら問い続けられ、段々と気持ちが削られていくような試験です。日本語で受験できますが、時々直訳したようなわかりづらい日本語の問題もあります。
受験はテストセンターかオンラインのどちらかを選べます。テストセンターは空きがあれば常時受験が可能で、オンライン受験の場合は月2回実施されています。

PMP®試験内容の概要(2021年1月)/プロジェクトマネジメント協会

受験のハードル(受験要件)が高い

PMP®を受験するためにはまず、2つの要件が必要です。

1.プロジェクトマネジメントの経験
大卒・・・・・・・過去8年以内に最低3年(36ヶ月)以上
高卒・短大卒・・・過去8年以内に最低5年(60ヶ月)以上
最終学歴に応じてプロジェクトマネジメントの経験が問われます。プロジェクトの内容に指定はありませんので、IT業界以外の方でも受験することが可能です。またプロジェクト経験は1つである必要はありません。合計で上記の月数に達していれば大丈夫です。

2.35時間の公式研修の受講
PMIが認定するパートナーなどが実施している35時間のプロジェクトマネジメントに関する研修を受ける必要があります。受講方法は対面での座学形式のほか、eラーニングなどでも提供されています。

受験申請はすべて自己申告となりますが、申請内容に対して約10%の確率で無作為に監査(audit)が行われます。監査の対象になると①卒業証明書(英文)、②公式研修の修了証、③プロジェクトマネジメント経験の記載内容を証明するための第三者のサインが必要になります。第三者のサインは当時の上司や同僚にお願いするか、連絡が取れない場合は現在の上司に事情を話してサインしてもらうなどといった方法があります。当然ですが、正しい内容で申請する必要があります。

申請はすべて英語

受験申請は日本語に対応していないため、すべて英語で行う必要があります。翻訳サイトなどである程度対応できますが、英語が苦手な人にとっては大きなハードルとなることでしょう。受験申請をサポートするサービスを提供している会社もありますので、そういったものを活用すれば英語が苦手な人でもクリアできます。実際に私はサービスを利用して問題なく申請をすることができました。

ちなみに評判の良い翻訳サイトとして「DeepL翻訳」の名前がよく挙がっています。私も結構使いました。

とにかくお金がかかる

PMP®を取るには、とにかくお金がかかります。受験料は555ドル(PMI会員は405ドル)、再受験料は375ドル(PMI会員は275ドル)となっています。なおPMI会員になるには152.9ドルかかります。
それに加えて公式研修の受講が必要になりますが、こちらは一番安い動画タイプのもので約3万円、認定パートナーのeラーニングで約10万円、講義形式のもので約20万円ぐらいとなっています。さらには参考書代がかかってきます。こちらは何を使うかによって変わってきますが、プロジェクトマネジメント標準をまとめたPMBOK®ガイド第7版が12,000円ほどしますので、それなりに費用はかかってきます。
これらを合計すると、資格取得までに最低でも10万円以上はかかってしまいますので、会社の負担などがない場合はかなり高額な出費となります(ちなみにPMP®と比較されるプロジェクトマネージャ試験の受験料は7,500円です)。

学習時間の確保

必要な学習時間は経験などによって個人差が大きく一概には言えませんが、目安は100時間から200時間と言われており、それなりにちゃんと勉強しないと合格できない試験です。試験問題は様々なシチュエーションで「プロジェクトマネージャーとしてどうするか?」を問われるシナリオ問題がほとんどで、プロジェクトマネジメントの知識がベースにあることを前提に最善の行動が問われるような形式です。そのため暗記で解ける問題というのはほとんど出題されません。当然プロジェクトマネジメント経験が豊富な人の方が有利だと言えますが、試験では経験からくる最適解ではなく、理想のプロジェクトマネージャー像としての正解を問われる内容になっているため、経験があるが故にかえって難しい・・・といった話もあります。やはり勉強時間は人それぞれで違ってきますが、試験の傾向を理解して対策するにはそれなりの時間を確保する必要があります。

過去問がないので対策が立てづらい

私が一番不安に感じたのは過去問がないという点でした。少し前までとは試験の傾向も大きく変わっているようで、どんな風に問題が出題されるのか、どこまで勉強したら合格レベルに達しているか判断することが非常に難しいです。問題集や模擬試験はいろいろな会社から出されていますが、果たしてどれを選んでどの程度勉強すれば良いのか本当に悩みました。先輩たちのブログを読み漁りながら自分なりの対策を考えたものの、結局最後の最後までずっと不安な気持ちのまま、受験当日を迎えました。

取得後も継続的な学習と資格更新が必要

PMP®は試験に合格して終わりではありません。合格後も継続的な学習に取り組み、3年ごとに更新していく必要があります。更新には60時間の学習や活動が条件となっており学び続ける姿勢が大事になってきますので、その覚悟も持っておいた方がよいでしょう。

これらに不安を感じるようでしたら、受験を決意する前にたくさん情報を収集してから判断した方がよいかと思います。受験した先輩たちがブログなどで勉強方法や試験の様子などを紹介してくれていますので、それを参考にして決意を固めていきましょう(私も先輩たちに倣い、みなさんの参考になればと思いこの記事を書いています)。

私なりに考えた作戦

事前の情報収集から、私は以下のような受験対策を考えました。

受験申請サポートの利用

とにかく英語が苦手な私は、自分ひとりで申請を進めるのは無理だと判断し、有料の受験申請サポートサービスを利用しました。
➡結果的にこのサービスを活用して大正解だったと実感しています(詳細は後述)。35時間の公式研修とセットで購入しましたが、単独でもサービス提供されていますので、英語が苦手で受験を躊躇している方にはぜひオススメします。

PMP®・CAPM® 資格申請サポート/JPSビジネスカレッジ

新しい情報の収集

試験自体が大きな変革の過渡期にあり、試験の傾向やそれに合った学習方法が日々変わっています。どんなに長い時間勉強したとしても、努力の方向性が間違っていたら水の泡になりかねません。そうならないように、できるだけ新しい情報から最新の試験傾向を掴み、それにマッチする参考書や模擬試験を購入できるように心がけました。
➡この作業にじっくり時間をかけたことは正しいアプローチだったと思います。

たくさんの問題に触れる

同じ問題を繰り返し解いていくと、どうしても答えを覚えてしまいます。過去問がない以上、問題と答えを覚えて正答率が上がってもあまり意味がないのではないかと思いました。そこで「初見でどの程度解けるか」を大事にすることに決め、様々な会社の問題を解くことにしました。
➡このアプローチが合格に直結したように思います。どの問題集が良かったかは後述します。

極力勉強のことで頭をいっぱいにする

記憶力に衰えを感じる年齢のため、仕事以外の勉強や遊びは極力取り除き、PMP®試験のことで頭をいっぱいにするように心掛けました。かといって集中力も若い頃より落ちているのはわかっているので、息抜きの時間もしっかり確保し、メリハリをつけて取り組みました。
➡苦手な英語の用語は覚えるのに時間がかかりましたが、最後まで忘れることなく記憶できていたと思います。

ダメだったら潔く諦める

試験は申請が通過してから1年の間に3回までチャレンジできます。もしも3回落ちてしまった場合、そこから1年間は受験ができなくなります。3回落ちた後に1年以上モチベーションを保つ自信がなかったので、3回落ちてしまったら潔く諦めようと決めて学習に臨みました。
➡受験料も高額なので、もちろん一発合格を目指してトライしたことは言うまでもありません・・・。まずは3か月以内に1回目の受験をしてみて、ダメだったらそこからどうするか考えようと思っていました。

受験申請

私が実際におこなった勉強方法をご紹介する前に、受験申請について記載しておきます。勉強を始める前にまず申し込むこともできますが、私の場合はある程度勉強を進めてから申し込みました。

申請の流れ

PMP®の受験申請の流れは、①PMIアカウントの取得(有料の会員登録ではない)、②受験申請(プロフィール、プロジェクトマネジメント経験の登録)、③申請受理、④受験料の支払い、⑤試験の予約、といった感じになります。受験料を支払う前にPMI会員になっておくと会員価格で受験することができます。受験申請の一番の難関は英語でプロジェクトマネジメント経験を書くところだと思います。

申し込みのタイミング

勉強を始める前、合格できるかどうかは正直やってみなければわからないと考えていた私は、途中で断念する可能性も考え、ある程度勉強を進めて手応えを確認してから受験申請をすることにしました(受験料も相当高額なので、支払いの前に諦めるという選択肢も正直考えていました・・・)。
実際に申請の準備を始めたのは勉強を開始してから1か月後でした。しかしそこでも苦手な英語が面倒になり、結局申請をしたのは2か月後になってしまいました。そのタイミングでも合格できるか五分五分ぐらいの感触でしたが、このままズルズル引き延ばしても仕方がないので1か月以内に受験しようと決意しました。
申し込み自体は勉強を始める前に行うこともできますが、ある程度学習の進捗具合を見ながら検討してもいいのではないかと思います。

受験申請サポートの利用

英語が苦手な私は、JPSビジネスカレッジの受験申請サポートサービスを利用しました。そこではPMIのアカウント作成から受験申込のガイドまで、詳細に書かれた資料をもらえたため、スムーズに手続きを進めることができました。
また、一番の難所だったプロジェクトマネジメント経験を英語で書くところについては、用意されたテンプレートに沿って日本語で経験を入力した後、翻訳ソフトで英訳し、メールで添削してもらえるサービスを活用することで問題なく乗り切ることができました。こちらのサービスは想像していた以上に良かったです。私の書いた文章を補う形でいろいろと追記してもらい、ボリューム感のある文章にしていただけました。それによって安心して申請を進めることができました。不安を感じている方にはぜひオススメのサービスです。

PMP®・CAPM® 資格申請サポート/JPSビジネスカレッジ

監査対象になった

英語に苦戦しながら何とか申請を終えてホッとしたのも束の間、申請受付メールを受信したわずか1分後に「audit」と書かれたメールが届きました。約10%の割合でランダムに選ばれるという、監査の対象に選ばれてしまいました・・・。意外だったのは申請した直後に監査のメールが届いたことでした。てっきり申請内容をある程度チェックした後に通知が来るものだと思い込んでいたので、まさかこんなに早く監査のメールを受け取るとは思っておらず正直うろたえてしまいました。まぁ本当にランダムに選択されているという証拠ですね(笑)。ちょっと面倒な作業が増えてしまいました。しかし、事前に監査になった時の対応も確認していたので、すぐに必要書類の収集に動きました。

監査は受験申請サイトの専用ページに必要な書類をアップロードする形で進めます。期限は90日以内で、必要な書類は3つです。1つめは卒業証明書(英文)。幸い母校はそんなに遠くないので速攻で取りに行ってきました。2つめは35時間の公式研修の修了証です。こちらは研修受講後すぐにダウンロードしてあったので問題ありませんでした。3つめは、申請したプロジェクトマネジメント経験の証明として第三者にサインをもらう必要があります。申請時に記載したすべてのプロジェクトについてサインをもらう必要があるのですが、私は事前に上司に相談していたのでスムーズに進められました。こちらは受験申請サイト上で依頼相手のメールアドレスと依頼文(英語)を登録すると、依頼相手にメールが飛び、WEBサイト上で電子サインをしてもらうような流れになります。当然、確認してもらう内容はすべて英語になります。幸い私の上司が英語に抵抗のない方だったので大変助かりました。

卒業証明書と公式研修の修了証は受験申請サイトにアップロードします。プロジェクトマネジメント経験のサインは依頼相手の対応が終わると画面上のステータスが変わって確認することができます。すべての書類が揃ったらまとめて提出を行い結果を待ちます。結果は5営業日以内に届きます。私の場合、監査対象のメールを受け取ってから4日後に書類を提出し、その翌日には審査が通過した旨のメールを受け取りました。

受験料の支払いと試験の予約

受験申請の審査が終わったらここでようやく「受験資格が付与された」状態になります。有効期間は1年間で、その間に最大3回までチャレンジすることができます。
PMIのサイトから受験方法(テストセンターかオンライン)を選択し、その後受験料を支払います。支払いが終わると受験予約ができるようになります。私はテストセンター受験を選択しました。オンライン受験は自宅で受験ができるので便利ですが、不正防止のためのカメラの設置等が面倒だったのと変な嫌疑をかけられたくなかったのでテストセンターにしました。

テストセンターの会場は新宿か千葉を希望していましたが、予約ページを確認したところ、2週間先ぐらいまではほとんど埋まっていました。土日に関してはもっと先までほとんど空きがない状態でした。会場によっても空き状況に差があると思いますが、土日に受験を考えている場合は1か月以上(もしかしたらそれ以上)の余裕を見ておいた方がいいと思います。予約を終えたら、あとは当日に向けて勉強あるのみです。

■テストセンター受験の案内(ピアソンVUE社サイト)
■オンライン受験の案内(ATA社サイト)

実際の勉強方法

私が実施した勉強の流れは、ざっくりとこんな感じです。
●認定研修(35時間)の受講 → ●模擬試験を1回解く → ●教科書/参考書を読む → ●問題集や模擬試験を解く → ●解説と参考書で知識を補う → ●また問題を解く・・・

とりあえず必須の研修を片付けてしまい、次にテストのイメージを持つために模擬試験を1回解いてみました。そこで現在の実力値を確認し、今後の勉強方法を決定してく流れがいいのではないかと思います。研修や参考書、問題集についてそれぞれ紹介していきます。

公式研修(35時間)

候補としてはeラーニングや通いの講義がありましたが、私はJPSビジネスカレッジのeラーニングを選択しました。通いの講義だとどうしても日程調整をしなければならないので、自分のペースで進められるeラーニングが良いのではないかと考えました。あとは受験申請サポートとセットで購入したかったというのも決め手のひとつです。私はフルセットで申し込みました(現在は私が申し込んだ時とセット内容が変更されているようです)。

PMP®オンデマンド試験対策コース(35時間)/JPSビジネスカレッジ

公式研修の内容ですが、一番はじめに学習したこともあって正直あまり頭に入ってきませんでした。とりあえず終わらせたといった感じです。これがその後の勉強に役立ったかと言われると正直「?」でした。まぁ受験の条件としてやらなければならないのでやりましたが、振り返りなどは一切行いませんでした。他でしっかり学習するつもりでしたら、ここであまりお金をかける必要はないかもしれません。費用を抑えるのであればUdemyがオススメです。こちらは3万円程度で受講可能なコースがあります。注意点としては、受験に必要な35時間の公式研修と資格更新に必要なPDUは違うという点です。条件を満たす研修を探して受講してください。

学習教材

使用を検討した学習教材と活用状況を以下にまとめました。

<教科書>
プロジェクトマネジメントの教科書の定番といえばやはりPMBOK®です。PMBOK®以外にもPMIが出版している書籍があります。

PMBOK®ガイド 第6版(購入)
現在は絶版となっていますが、ウォーターフォール型のプロジェクトマネジメントの教科書としてメルカリで探して購入しました。購入したものの、他のPMBOK®解説本で学習を進めたため、結局1度も開くことはありませんでした(笑)。1回落ちたら全ページ読むつもりでいました。

PMBOK®ガイド 第7版(購入)
こちらは現行のガイドになります。第6版よりもかなりページ数が減り、アジャイル型にシフトしています。こちらは学習の初期段階で通読しました。その後は用語を確認したり、練習問題でわからなかった時の振り返りとして活用しました。

アジャイル実務ガイド(購入)
私はアジャイルプロジェクトの経験がないので、しっかり勉強する必要があると思い、まずはこちらを購入して通読しました。直訳っぽく読みづらさはありますが、PMIが出している本ですので試験とのマッチ度は高かったと思います。

<参考書 >
PMP®受験対策の参考書は種類が多くありません。良く名前の挙がる本は次の2冊です。

PMP®完全攻略テキスト(購入)
PMBOK®とアジャイル実務ガイドを読んだ後、問題集を解くのと並行して読みました。現行の試験にも対応しており、巻末には模擬試験も付いています。1回通読し、あとはPMBOK®と同様、問題集を解きながら振り返りに使用しました。PMBOK®と比べて読みやすく、必読の1冊としてオススメします。

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PMP®試験 合格 虎の巻(未購入)
こちらもよく名前の挙がる参考書ですが、口コミを見ると新試験とあまりマッチしていないようでしたので、私は購入を見送りました。

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PMBOK®第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書(購入)
こちらはPMBOK®ガイド第6版のウォーターフォールを理解するために活用しました。実は数年前に購入しており、中途半端に読んでいましたが、受験を決めてから改めて読み返しました。試験内容が変わりプロセスの丸暗記が必要なくなったため、ウォーターフォールの概要を理解するにはこちらの本で十分だった気がします。2回読みました。

<eラーニング>
PMBOK®ガイド第7版 入門(速習コース)
JPSビジネスカレッジの公式研修とセットで付いてきた教材です。学習の初期段階で1度視聴しました。入門としては良かったと思います。

【Udemy】〜アジャイル入門〜ゼロから学ぶアジャイルの基礎
外国人の講師の方が流暢な日本語でアジャイルの基本を説明してくれる1時間30分の教材です。これはアジャイルを理解する上で結構役に立ちました。アジャイルに初めて触れる方にはオススメです。定価は14,800円ですが、タイムセールで1,200円で購入できました。
【Udemy】〜アジャイル入門〜ゼロから学ぶアジャイルの基礎

【Udemy】【非エンジニアやスクラム初心者向け】短時間で学ぶスクラムの基礎基本【DX/アジャイル】
Udemyではもう1つ、スクラムを学ぶための教材を使用しました。2時間の教材です。こちらもアジャイル(スクラム)を理解する上でかなり役に立ちました。自分で参考書を読むだけではなかなか理解が難しい部分もあると思いますが、図解などもわかりやすく、アジャイルを学ぶ最初の1本に最適だと思います。こちらも定価は27,800円ですが、タイムセールで1,200円で購入しました。
【非エンジニアやスクラム初心者向け】短時間で学ぶスクラムの基礎基本【DX/アジャイル】

教材を使った学習で特に意識して行ったのは、読み進めていく中でわからない用語を紙に書き出し意味調べを行うことです。基本的な英語もわからない単語が多い私は、「何度も繰り返し書き出すことで覚えるられる」と信じて継続しました。その結果、1か月したらほとんどの用語は頭に入りました。

問題集・模擬試験

問題集や模擬試験の精度がどの程度本番に近いかわからなかったため、とにかく数多くの問題に触れ、初見で70%正解できることを目標にしました。

<使用した教材>
まずは実際に使用した教材のご紹介です。

【JPSビジネスカレッジ再構築】PMI公式問題集
 問題数:313問 
 本番類似度:○ 
PMIが出している公式問題集をJPSビジネスカレッジが再構築して提供している問題集です。35時間の公式研修の無料特典として付いてきました。出題範囲の「人」「プロセス」「ビジネス環境」に分かれているため、苦手分野の確認と復習・強化ができます。問題文は本番に近い感じです。
【JPSビジネスカレッジ再構築】PMI公式問題集

【JPSビジネスカレッジ】【第7版/新試験対応】PMP問題集+模擬試験(2023年9月~)
 問題数:1,130問(問題集590問+模擬試験180問×3回) 
 本番類似度:△
 
問題集と模擬試験の重複はあるものの、豊富な問題数で知識の習得に役立ちました。問題集はPMI公式問題集と同様に出題範囲の「人」「プロセス」「ビジネス環境」に分かれているため、苦手分野の確認と復習・強化ができます。模擬試験は本番を想定して60問ごとに区切られており、本番さながらに時間を計測して取り組むことができます(76.5分で強制終了となります)。しかし旧試験に近いのかわかりませんが、問題文が長く、本番とは少し傾向が違いました。多くの問題に触れられるのでやって良かったと思いますが、この問題に慣れてしまうと本番は出題傾向にギャップを感じるかもしれません(こちらの教材ではほとんどの問題に架空の会社名が登場しますが、本番では会社名は出てきませんでした)。
【JPSビジネスカレッジ】【第7版/新試験対応】PMP問題集+模擬試験(2023年9月~)

【PMP®完全攻略テキスト】模擬試験
 問題数:180問 
 本番類似度:○ 
 
参考書の巻末についている模擬試験です。紙ベースのためそもそも本番とはスタイルが異なりますが、内容は本番に近いと感じました。模擬試験を解くためだけに購入する必要はないかと思いますが、参考書としても大変有用でしたので、購入して解くことをオススメします。

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【Udemy】PMP (Project Management Professional) 試験模擬問題集 全360問(2回分)
 問題数:360問(180問×2回) 
 本番類似度:◎  
今回使用した教材の中で一番役立った教材です。問題文などが本番にかなり近かった上に、類似問題も多数出題されました。和訳したようなちょっとわかりづらい日本語もありますが、それも含めて本番に近い感じに仕上がっているので、試験問題をイメージするには一番良かったです。同じUdemyの中に「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 試験攻略のための実践問題演習コース 全100問 (2020)というコースもありますが、こちらは少し古いようで、口コミを見ると現在の試験とはあまりマッチしていないようです。
【Udemy】PMP (Project Management Professional) 試験模擬問題集 全360問(2回分)

<使用しなかった教材>
続いては私は使用しなかったものの、よく紹介されている教材もご紹介しておきます。

豆検(ぷちまな)
先輩たちの合格体験記で良く見かけました。月額550円とリーズナブルで問題数が豊富ということです。私は他の問題集でたくさんの問題を解いていたため、購入を見送りました。
ぷちまな/豆検

【PMI】 Study Hall Essentials
こちらは一部の先輩の合格体験記でオススメとして挙がっていました。PMIが出しているもので、本番に近いという評判でした。費用は3か月で49ドルです。難易度が4種類あり、最高難度の「expert」はかなり難しいようですが、解かなくても合格できたというような口コミもありました。なおサイトは英語のため、ブラウザの和訳機能を使って日本語で解いていく形になります。そのちょっとわかりづらい日本語が本番の試験とマッチしているようです。
PMI Stydy Hall/PMI

リアルタイム模擬試験
日にちと時間が決まっていて、本番さながらの緊張感の中で受験できる模擬試験もあります。私の場合は購入した模擬試験を自分で時間を計って何回か実施した結果、やらなくていいかなと判断しましたが、本番に近い環境でやってみたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
PMP®試験リアルタイム摸試/豆検

問題集・模擬試験の正答率

ここからは実際の正答率を時系列を追ってご紹介します。途中でどんな勉強をしていたかも簡単に記載しました。どれぐらい勉強してから受験するかの目安としてご覧いただければと思います。

【JPSビジネスカレッジ再構築】PMI公式問題集(313問)※1回目
正答率:47.6%
学習を開始して10日後、公式研修を終え、PMBOK®第6版関連の参考書読了と第7版のeラーニング(速習コース)を終えたタイミングで臨みました。実際にやってみて合格まではまだほど遠いことを実感しました。ここからPMBOK®以外の学習教材を購入し、特にアジャイルを中心に学習を進めました。

【JPSビジネスカレッジ】模擬試験パート1(180問)
正答率:63.9%
学習開始から20日後、PMBOK®ガイド第7版を読了し、アジャイルの知識を少し強化してから臨みました。結果はギリギリ合格ライン。

【JPSビジネスカレッジ】PMP問題集(590問)
正答率:69.2%
学習開始から約1か月が経過。こちらの問題集を解きながら解説を読んで知識を強化するような形で約2週間学習を進めました。併行してアジャイル実務ガイドも読みました。

【JPSビジネスカレッジ】模擬試験パート2(180問)
正答率:77.2%
学習開始から約1か月半が経過。「PMP®完全攻略テキスト」を読みながらアジャイルのインプットを行った後、本番と同様に時間を計測しながら通しで実施しました。ここでようやく目標としていた初見70%の正答率の到達しました。

【PMP®完全攻略テキスト】模擬試験(180問)
正答率:67.8%
「PMP®完全攻略テキスト」を読み終わったので巻末の模擬試験を実施しました。正答率は何とも微妙なところに落ち着きました。

【JPSビジネスカレッジ再構築】PMI公式問題集(313問)※2回目
正答率:67.7%
学習開始から2か月後、一番最初に解いた問題集の2回目に挑戦してみました。結果は67.8%と前回の47.6%を大きく上回ったものの、相変わらず微妙な正答率となりました。微妙といえば微妙なのですが、最初にこの問題集解いたあとはとりあえず毎回合格基準を上回っている状況です。このタイミングで受験申請を行い、1か月の試験を予約しました。

【Udemy】PMP試験模擬問題集 第1回(180問)
正答率:65.6%
ここから残り1か月の追い込みに入ります。温存してきたUdemyの模擬試験に着手しました。しかし相変わらず微妙な正答率をキープする結果になりました。模擬試験を解いて解説を読み、あとは過去に調べた用語集を振り返ったり手元にある教科書や参考書を流し読みしていきました。

【JPSビジネスカレッジ】模擬試験パート3(180問)
正答率:72.2%
JPSビジネスカレッジで最後に残しておいた模擬試験もこのタイミングで実施しました。結果は思ったよりも良かったですが、それでも正答率70%台前半でした。

【Udemy】PMP試験模擬問題集 第2回(180問)
正答率:69.4%
初見の問題集はこれで最後となりましたが、目標の70%に少し届かず。しかし微妙な正答率ながらも、ずっと65%以上はキープできています。実力はあまり伸びていないよう感じますが、これでダメだったらイチから勉強方法を見直そうと腹をくくりました。残りの1週間はUdemyの模擬試験だけをやって臨もうと決めました。

【Udemy】PMP試験模擬問題集 第1回(180問)※2回目
正答率:90.0%
Udemy模擬試験の2回目です。初めて正答率90%を取ることができました。しかしこれはあくまでも初見ではなく2回目の結果で、正直問題を覚えてしまっているところもありましたので真の実力値とは思っていません。それでも相変わらず手応えのない問題を解き続けてこれだけできているなら、まぁ受かる可能性はあるかも知れないと思うことにしました。

【Udemy】PMP試験模擬問題集 第2回(180問)※2回目
正答率:82.8%
いよいよ最後の締めくくりの模擬試験(2回目)です。結果は80%台前半。まぁこんなもんじゃないでしょうか。残った数日はUdemyの模擬試験の全問振り返りを行い、学習を終了しました。

クチコミで評価の高かったUdemyの模擬試験を後半に温存し、受験前に繰り返し解いて最終的に85%程度まで仕上げました。繰り返しやることで、どうしても問題を覚えてしまうのでどうなんだろうと思いましたが、結果的にこの学習方法は大正解でした。Udemyの模擬試験から類似問題がいくつも出題され、自信を持って回答できた問題もあったので試験中の安心材料になりました。出題傾向が似ていたので、これはやっておいて良かったです。

本番の試験はほとんどがシチュエーション問題となり、4つの選択肢の中から1つを選ぶのが基本です。その中で2つはすぐに消すことができるのですが、残りの2つでどっちか悩むことが多いです。そこで重要になってくるのが「PMI®イズム」と言われる考え方です。要するにPMI®が考える模範行動のことです。自分だったらどうするかではなく、理想のプロジェクトマネージャーだったらどうするかを選択する必要があります。ざっくり言うと、具体的なアクションを起こす前にまず手続きを行う、コミュニケーションは基本対面で行う、スキル不足のメンバーにはトレーニングを提供する、などがそれに該当します。そこをブラさずに考えて解いていけば得点に繋がっていくのではないかと思います。私の場合は沢山の問題に触れたことで、その感覚を身に付けることができたと思います。

モチベーション維持

試験勉強は孤独な戦いです。そこで私がモチベーションを保つために行っていたのは、プロジェクトマネジメントの専門のYouTubeチャンネル「I LOVE PM」の視聴です。多くの先輩方もこのYouTubeに救われたと言っています。ちなみにチャンネルを運営しているイトーダさん(伊藤大輔さん)は日本プロジェクトソリューションズ株式会社の社長さんで、JPSビジネスカレッジの最高経営責任者でもあります。
こちらのチャンネルには約200本の動画がアップされていて、プロジェクトマネジメントだけでなくPMP®試験に関する情報も豊富にあります。特に最新の合格体験記は現在の試験の傾向を知ることができるため絶対に観ておいた方がいいです。イトーダさんの明るく軽快なしゃべり口調が、勉強で疲れた時のビタミン剤になります。
I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル / イトーダ

試験直前の準備(テストセンター受験)

試験の直前でやっておいた方が良いことは、持ち物の確認と当日の流れのチェックです。

持ち物の確認

試験は身分証明書がないと受験できません。必要な書類は下記よりご確認ください。
本人確認書類について/ピアソンVUE
基本的には身分証明書以外の私物は試験会場に持ち込むことができないので何も持って行かなくても良いのですが、休憩中にロッカーにしまった飲食物を摂取することは可能です。私はペットボトルの水とチョコレート、そして花粉症対策として目薬とティッシュ、あとはマスクを持参することにしました。

テストセンターでの当日の流れをチェック

当日の流れはテストセンターの運営を行っているピアソンVUEのサイトに動画がありますので、そちらを視聴しておくことをオススメします。
テストセンターでの流れ/ピアソンVUE

CBT試験体験デモの実施

またCBT試験の体験デモもありますので、こちらも事前にやっておいた方がよいでしょう。
CBT試験デモ/ピアソンVUE

試験当日

試験開始前

いよいよ試験当日を迎えました。私が予約したのは千葉の会場で、時間は10時開始です。恐らく10時が一番早いスタートだと思われます。会場へは予約時間の30分前に来るようにとの指示があったため、9時25分に会場へ入りました。そのタイミングで前に2人ほど並んでいる人がいました。
受付に行くと、「時間前ですがすぐに開始していいですか?」と聞かれました。まったく待つ理由はないので「はい」と答えて手続きを進めていきます。受け取った書類にローマ字での名前と漢字の署名、そして入室時間などを記入し、一緒に受け取った注意事項の書いてある書類に目を通します。その後再度受付に並び、身分証明書の提示と電子署名、さらに写真撮影を行った後にロッカーのカギを受け取りました。ここでは特に受験に関する細かい説明はなく、受付を行っただけです。ロッカーに荷物を入れた後に案内係のスタッフの方から休憩の取り方など受験に関する説明がありました。気になっていた休憩については、休憩を取る前にボタンでスタッフを呼ぶようにとのことでした。テスト終了後はスタッフを呼ぶ必要はなく、ログイン画面が表示されたらそのまま退出するということでした。説明の最後にA4サイズのホワイトボード2枚とペンを1本受け取りました。こちらは消せないもので、足りなくなったら机上のボタンでスタッフを呼び新しいホワイトボードをもらう形でした。すべての説明が終わった後、ポケットに何も入っていないことを口頭で確認されてから入室となりました。事前に収集した情報ではポケットを裏返してチェックされるとか、メガネを外して確認されるといった話もありましたが、そこまで厳重なチェックは行われませんでした。また新型コロナウイルスの流行時期はマスクの着用が必須だったようですが、今回は不要でした。

そして入室です。

試験会場は長机をパーテーションで仕切った席が複数用意されており、案内された席に着席しました。スタッフの方がパソコンのログイン操作を行うと、先ほど撮影した私の顔写真が表示されており、間違いないことを確認すると着席を促されました。机の上には大きなモニターとキーボード、マウス、その他に防音用のヘッドホンとスタッフを呼ぶボタンがあるのみです。身分証明書とロッカーのカギを机上に置き準備完了。いよいよ試験が始まります。

試験スタート

まずはチュートリアルから。
事前情報でチュートリアルは英語だと思っていたのですが実際は日本語でした。時間は7分間。画面の操作方法などの説明があります。事前にピアソンVUEのサイトで確認していたものとほぼ同じ内容を復習した感じでした。しかしハイライトや取り消し線など、予習していたよりも機能が多かった気がします。こちらは気持ちを落ち着かせるためにもじっくり確認して良かったと思います。少し余談になりますが、机上のモニターが想像以上に横長で大きくて、自分が学習に使っていたノートパソコンと比べると左右への目の動きが大きくなり、最初慣れるまで少し時間がかかりました。時間をたっぷり使ってチュートリアルを確認した後、ちょっとだけ気合を入れていざ本番スタートです。

試験を始めてすぐ、ホワイトボードに時間配分のメモを取りました(確か試験中以外はメモを取ってはいけないルールだったと思います)。事前の作戦として、最初の60問を75分、次の60問を75分、最後の60問を80分という配分に設定しました。そして中間の30問に少し短めの時間を設定してメモしておきました。ちなみに画面右上にあるカウントダウンタイマーは分単位の表示となっており、「230分」からスタートします。

<メモのイメージ>
230分→(200分/30問)→155分/60問(休憩)
155分→(125分/90問)→80分/120問(休憩)
80分→(50分/150問)→0分/180問

もともと時間の感覚は問題なさそうだと思っていたのですが、やはり本番で慎重になった部分もあったのでしょうか、結果的に時間ギリギリまで問題を解いていたので、最初にペース配分をメモしておいて良かったと思いました。

問題を解き始めると出題傾向がUdemyで学習した模擬試験とかなり近い感じでだったので、落ち着いて進めることができました。これは精神的にかなり大きかったです。もともとあまり試験とかで緊張しないタイプではあるものの、持ち物が制限されていたり、花粉症の時期で集中力を保てるかといった不安を抱えての受験だったためにいろいろ心配していましたが、平常心でスタートすることができました。

途中の休憩は、予定通り2回とも取りました。ボタンを押すとスタッフの方が来てくれて、身分証明書とロッカーのカギを持って一緒に試験会場を出ます。そこでトイレに行ったりロッカーを開けて水を飲んだりしました。先輩のブログの中にはロッカーに入れたカバンは開けられないので、飲食物などはロッカーの手前に出しておくみたいな情報もありましたが、私の受けた会場ではそこまで厳重なルールはありませんでした。変な嫌疑をかけられたくなかったので、念のため必要なものはカバンから出して手前に置いておき、カバンには触れないようにはしました。
休憩は10分間取ることができますが、時間を正確に計れないので正直ゆっくり休憩することはできません。時間を過ぎてしまったらその場で試験終了となってしまいますので、トイレに行ってから水分補給をし、目薬を差した程度でした。試験会場に戻る時はスタッフの方に声をかけて誘導してもらいます。そしてパソコンで操作をしてもらった後、試験を再開する形になります。

試験の問題は基本4択問題ですが、複数選択問題(5つのうち2つか3つ)が5問程度あり、あとはドラッグ&ドロップ問題(左右に並んでいる選択肢を正しく紐づける問題で、左の選択肢を右にドラッグ&ドロップで重ねる操作を行う)が5問程度ありました。ドラッグ&ドロップ問題は解答に結構時間がかかりました。それが後半に多く出題されたため、思っていたよりも時間の余裕がなくなり焦りました。途中からドラッグ&ドロップ問題は最悪解けなくてもいいと考えて飛ばして進め、最後の最後に着手して何とか全問やり切ることができました。何となくタイムアップで終わるのはイヤだったので、残り10秒になったところで「終了」ボタンを押して試験を終えました。

終了ボタンを押した後は、アンケート画面に移りました。こちらも事前の情報と違って日本語でした。アンケートを断ることもできましたがとりあえずやっておきました。あまり覚えていませんが、テストや会場について聞かれたと思います。正直180問をやり切った脱力感で、アンケートには身が入らなかったです(笑)。

アンケートの回答を終えると、少しロードに時間がかかり、しばらく待っていると最初の説明にあった通りログイン画面が表示されました。ここでホワイトボードとマーカー、身分証明書とロッカーのカギを持って退席して受付に向かいました。

※2023年10月頃まではアンケート終了後すぐに画面に結果が表示されていたようですが、現在は試験結果の通知方法が変更になって、試験終了後に即時では結果が表示されなくなり、5営業日以内にメールで通知されるように変更されたようです。
I LOVE PM/PMP試験結果の通知方法が変わりました

試験終了

受付でホワイトボードとマーカーを返却した後、「Provisional Score Report」と英語で書かれた1枚の紙を受け取りました。そして試験前に書いた書類に退出時間と署名をし、ロッカーの荷物を取って試験終了となりました。

Provisional Score Reportの正体

受け取った「Provisional Score Report」は暫定スコアレポートと訳すようですが、もちろんすべて英語で記載されているため私にはチンプンカンプンです(笑)。合格だったら「PASS」とか大きく書かれているのかなぁと思ったのですが、残念ながらそういった文言は見当たりません。とりあえず試験会場を出てからすぐにインターネットで翻訳してみることにしました。
紙に書いてある英文をスマートフォンに入力していく作業に苦戦しながら少しずつ翻訳していくと、暫定合格的なことが書いてあることがわかりました。そこで「あぁ合格点は取れてたのか」とひと安心しました。2023年の秋から結果が即時発表でなくなったというのは、恐らく不正受験とかのチェックが入るからなんだと思いますが、オンライン受験と違ってテストセンターの場合は試験監督もいる中での受験になるので大丈夫だろうとは思いましたが、それでもちょっぴり不安です。書類には48時間以内に結果の通知が来るようなことが書いてあったので、ちょっぴりドキドキしながらそれを待ちました。

合格通知

「Provisional Score Report」を受け取ってから待つこと35時間(1日半)。待望の合格通知がメールで届きました!
今度はわかりやすくタイトルに「Congratulations」と書いてあったため、本当に合格したことがわかりました。そしてPMIのサイトにアクセスして合格証と試験報告書を確認しました。
結果は予想以上の出来だったようで、3つのドメインすべてが「Above Target」となっていました。正直これは意外でした。問題集や模擬試験では65~70%程度しか取れていなかったので、本番が一番良い結果だったのではないかと思います。良い問題集に出合えたことが好成績に繋がりました。

振り返り

勉強を始める前は本当に合格できるかもわからず、途中で諦めるかもしれないと思いながら頑張ってきた中で、無事に1発で合格することができて本当にホッとしました。今回の結果を成功と捉え、最後に受験について改めて振り返ってみたいと思います。

試験について

新試験に移行してからは、以前のような暗記問題は出ないということでしたが、まったくその通りでした。聞いていた通りシナリオ問題(シチュエーション問題)がほとんどで、計算や暗記で解ける問題というのはほとんど出題されませんでした。問題文の傾向は長文を読ませるようなものではなく、変な前置きもない簡素なシチュエーションの説明が非常に多かったです。むしろ情報が少ないと感じるところもありました。これに関してはご紹介したUdemyの模擬試験が本当に近かったです。日本語がわかりづらいという事前情報もありましたが、私はそこまで違和感を関じることなく最後まで進めることができました。わかりにくい日本語を原文(英語)で確認するという方もいましたが、試しに原文を見てみたものの、予想通り私の英語力では何も役に立ちませんでした(笑)。

難易度は問題集や模擬試験と変わらなかった印象です。常に手応えのない不安を抱えつつ、結果的に正解を選ぶことができていた・・・という感じでしょうか。予想外にスコアが良かったのは、良い問題集に出合えて、最後それだけを集中的にやりこんだことが大きかったと思います。

時間に関しては、思っていたよりもたくさんの時間を使う形になりました。やはり本番ということで、模擬試験よりも慎重に問題文を読んで解いたからかもしれません。
精神的にしんどかったのは後半に差し掛かった100問目から120問目あたりです。これは人によっても違うと思いますが、私は時間を計って実施した模擬試験の時も同じ傾向だったので、事前にわかっていた分、集中力を切らさずに問題と向き合うことができました。

休憩に関しては、実際ゆっくり取ることはできませんが、ひと息入れる意味で私はオススメします。10分といっても正味トイレと水分補給ぐらいの時間しかありませんが、それでも私はいくらか気分転換できました。

受験申請サポートの活用

受験申請サポートは利用して大変良かったと思います。私の想像以上にかなり丁寧に添削をしてくれました。特にプロジェクト経験は私の書いたつたない内容を膨らませて、立派な経験として書き直していただきました。また監査対象になった時も安心感が違いました。メールで何度かやり取りさせてもらっている内に「お世話になったこの方たちのためにも合格しなければ!」という気持ちも芽生えてきて、それがひとつのモチベーションにもなりました。英語が苦手な方や受験に対して不安に思う方には自信を持ってオススメいたします。

PMP®・CAPM® 資格申請サポート/JPSビジネスカレッジ

学習方法について

ベースとなる経験や知識は人それぞれなので、どんな教材を使ってどういう風に勉強したらよいかは一概には言えないと思います。それを踏まえた上で敢えてお伝えするのであれば、いろいろな会社の問題集や模擬試験をたくさん解いたことは本当に良かったと思います。中には新試験にアップデートされていないようなものもありましたが、それも含めて多くの問題をこなしたことで間違いなく経験値があがったと思います。いろいろな問題集でレベルアップし、最後にUdemyの360問の模擬試験を反復学習して仕上げるのが私のオススメです。

かかった費用

教科書や参考書、eラーニング、問題集・模擬試験、PMI会員登録費と受験料を全部合わせて約26万円でした。公式研修の費用は会社に負担してもらったので自分の出費は半分ぐらいでしたが、それにしても大きな出費でした。それでもこの試験にチャレンジして合格できたことは、私にとって金額以上に価値のあることだったと思っています。

まとめ

今回はPMP®試験について、これから受験をされる方のお役に立てればと思い、合格体験記としてまとめてみました。

<ポイント>
●受験のハードルは結構高いと思うので、どんな試験かは事前にしっかり確認しておきましょう
●試験内容は定期的に変わるので、ブログやYouTubeなどで最新の情報を収集して傾向を掴みましょう
●試験は長期戦になるので体調を万全にして臨みましょう

みなさんのチャレンジが実を結ぶことを、陰ながら祈っております。

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