賞味期限が1年切れた納豆はどんな状態? 食べられるのか検証した結果は…

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過去の検証で賞味期限が3か月切れた納豆は体調に支障を来たすことなく食べることができましたが、それより長く時間の経過した納豆はどうなのでしょうか。今回は賞味期限が1年切れた納豆を開封して検証してみたいと思います。

※この検証は食品ロス問題に向き合い、賞味期限の限界を探ることを目的として実施しております。企画の趣旨にご理解・ご賛同いただける方のみ、続きをご覧ください。

検証の概要

検証を行うにあたり、過去の検証結果の確認と今回のルールを説明したいと思います。

過去の検証の振り返り

以前の検証では、賞味期限内、賞味期限当日、2週間切れ、1か月切れ、2か月切れ、3か月切れの6つの納豆を用意してどこまで食べられるかを実験してみました。その結果、どれも問題なく食べることができました。詳細は下記の記事をご覧ください。

今回は賞味期限が1年切れた納豆を用意

前回の検証の結果、賞味期限が3か月切れた納豆も食べられたということは、まだまだ限界点は遠いのではないかと考えました。さらには「賞味期限が1年以上切れた納豆を食べた」という情報を目にすることもあります。それならばと、賞味期限が1年切れるのを待って納豆を開封してみることにしました。

ちなみに「消費期限=安全に食べられる期限」、「賞味期限=おいしく食べられる期限」となっているため、賞味期限が切れたらすぐに食べられなくなるということではありません。とはいえ賞味期限が1年切れている納豆はどんな状態になっているのか、ちょっと想像がつきません。

検証方法

<用意したもの>
今回の検証用に準備した納豆はスーパーでよく目にするメーカーのもので、賞味期限はちょうど1年切れています(検証実施日は2023年12月2日)。購入後すぐに冷蔵庫に入れ、未開封の状態でずっと保存してきたものです(写真左)。比較対象として、賞味期限内の同種の納豆(写真右)も用意しました。

賞味期限1年切れ(左)と賞味期限内(右)

<かき混ぜ方>
なるべく同じ条件になるように、納豆のかき混ぜ方を統一します。開封後、何も入れずに50回かき混ぜた後、タレを入れてさらに50回かき混ぜていきます。からしやネギなどの薬味は今回は加えません。

<食べ方>
納豆をかき混ぜた後は加熱せず、ご飯などにも乗せずに納豆のみで食べてみることにします。

<評価軸と中止判断>
評価していくポイントは以下の4点とし、安全を考慮して実験中止の判断をする条件も事前に考えておきました。
●見た目・・・水っぽくなっていたりドロッとした様子が見られる場合、カビが生えている場合
●におい・・・強いアンモニア臭や酸っぱいにおい、明らかな異臭がする場合
●粘り・・・・かき混ぜた時に糸を引かない場合
●食味・・・・固すぎて食べられない場合、明らかに変な味がした場合

さすがに1年も賞味期限が切れている納豆になりますので、食べる食べないの判断は慎重に行いたいと思います。

検証開始

賞味期限内の納豆との比較を写真で確認いただきながら見ていきましょう。
左が賞味期限1年切れ、右が賞味期限内の納豆です。

賞味期限1年切れ(左)と賞味期限内(右)

いざ開封

賞味期限1年切れ(左)と賞味期限内(右)
賞味期限1年切れの納豆を開封

見た目はかなり乾燥してしぼんでおり、ツヤや瑞々しさはありません。アミノ酸の白い結晶(無害)は外側を中心に所々見られますが、全体を覆う程の量ではなく、思ったよりも少ない印象です。カビなどは生えていないようです。においは発酵が進んでいるからか、納豆というより醤油に近い香りがしますが、特に変なにおいはしません。

何も入れずに攪拌

何も入れずに攪拌しようとしましたが、乾燥してカチカチの状態で混ぜることはできませんでした。強引に混ぜようとしたらいくつかに割れました。

カチカチに乾燥していて混ぜられず…
賞味期限1年切れ(左)と賞味期限内(右)

タレを入れて攪拌

タレを入れたら水分が行き渡って混ぜられるのではないかと思いましたが、これが簡単にはいきませんでした。。。

タレを含ませかき混ぜてみる

叩くようにして固まってくっついている粒をほぐすこと20分! ここでようやく大体の粒がほぐれてきたので、約50回攪拌しました。すでに叩いたりほぐしたりを繰り返しているので混ぜた回数はもはやわからない状態です(笑)。

20分かけてようやく混ぜられる状態に

かき混ぜた時の粘りはかなり強く糸も引きますが、すぐに切れてしまいます。においは混ぜる前と変わらず醤油っぽい感じがします。

実食

準備が整った納豆を恐る恐る口に運んでみると、想像通りカリカリとした食感です。味はタレのしょっぱさを強く感じました。これは納豆の水分が抜けたことで納豆とタレのバランスが崩れてしまったことが原因だと考えられます。もっとタレを減らした方が良かったのではないかと思います。
それでも口の中で噛んでいるとだんだんふやけてきて風味を感じられるようになってきます。食べ慣れている納豆とは少し違う感じですが決して不味くはありません。旨味が凝縮されているようにも思えました。

ただしこの状態で食べ続けるのは厳しそうなので、柔らかくなることを期待してご飯の間にサンドして少し様子を見ました。

ご飯の熱で柔らかくなることを期待

少し時間を置いてから食べてみましたが、思ったよりも柔らかくならずにカリカリした食感のままでした。かなり中まで乾燥が進んでいたようです。それでも納豆ご飯として何とか完食することはできました。

追加検証

今回の検証用に用意していた納豆は3パックありました。もしも普通に食べられた場合、さらに期間を置いて検証を行おうと思っていたためです。しかしこれ以上続けてもさらに乾燥が進むだけだと思いますので検証はここで終了します。
残りの2パックも食べられる状態であることはわかったので、ここからは目的を変え、「賞味期限が1年切れた納豆をどうすれば美味しく食べられるか?」というテーマで追加検証していきたいと思います。

追加検証① 味噌汁にしてみる

今回用意した納豆の一番のネックは乾燥してしまったことですので、水分を戻してあげれば普通に食べられるのではないかと考えました。そこで試したのは味噌汁です。

作り方はマルコメ味噌のサイトから納豆ねぎみそ汁のレシピを参考にしました。
https://www.marukome.co.jp/recipe/detail/miso_238/

味を比べるため、賞味期限内の納豆も同様のレシピで作りました。

賞味期限1年切れ(左)と賞味期限内(右)

賞味期限内の方は、豆もふっくら瑞々しく、美味しいお味噌汁です。
一方の賞味期限1年切れの方は、水分は戻って固さはなくなりましたが、粒の味もやはり発酵が進んでいるせいか、味噌のような醤油のような濃縮された感じで少し苦みも感じました。味噌汁自体の味も、香りが広がる感じもなく、残念ながら美味しいと感じられる仕上がりにはなりませんでした。

賞味期限1年切れの納豆で作った味噌汁

追加検証② そのまま食べる

ここまでカリカリの状態であれば、いっそのことスナック菓子だと思って食べちゃえばいいんじゃないかと思い、そのままかじってみることにしました。

手で掴めるほど乾燥した賞味期限1年切れの納豆

噛んだ瞬間はカリッとしていますが、中の方はまだ少し柔らかさが残っていました。そして口の中で噛んでいるうちに段々と納豆らしさが顔を覗かせてきます。歯に挟まりながら噛み続けていると粘り気も出てきて、濃縮された納豆の味といった感じになりました。もしかしたら納豆が好きな人であれば案外受け容れられるかもしれません(あくまでも、もしかしたら・・・です)。とはいえ、もちろんスナック菓子のように美味しくて止まらなくなっちゃうなんてことはなく、私はちょっとだったら食べてもいいかなという感じでした。

今回の検証結果

今回は「賞味期限が1年切れた納豆は食べられるか?」というテーマで検証を行ってみましたが、結果は「食べることはできたが乾燥していて美味しくはなかった」という結論になりました。食べた翌日に体調を崩すこともなかったため、腐敗することなく食べられる状態は保たれていたと思います。

追加検証では「賞味期限が1年切れた納豆をどうすれば美味しく食べられるか?」というテーマに変更して実験をしてみましたが、やはり「美味しく食べるところまでもっていくのは難しい」というのが結論でした。まぁやっぱり早めに食べた方が美味しいということですね。

しかしながら、1年経っても腐らない納豆菌の凄さというものを改めて実感しました。それと同時に、賞味期限という概念について改めて考えさせられる機会にもなりました・・・。

最後に・・・

今回の検証はあくまでも個人的な興味から実験を行ったものになります。この記事は決して賞味期限切れの納豆を食べることを推奨したり、その安全性を保証するものではありません。保存環境によっても大きく状態が変わるため、賞味期限切れの納豆を食べる場合は必ず自己責任でお願いします。

あくまでも個人の体験談としてご覧いただけますと幸いです・・・。

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