初めてのカブトムシ成長記録2023-2024 産卵から成虫になるまでの飼育日記(完結)

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子どもの頃から大好きでよく飼育していたカブトムシですが、実は一度も産卵から羽化までを観察したことがありませんでした。だったら一度やってみようということで、今回はカブトムシの産卵から成虫になるまでの成長記録をつけてみました。

07/15 成虫採集と飼育箱のセッティング

カブトムシの成虫は野外で採集してきました。採集の様子は下記の記事よりご覧ください。

土を多めに入れた飼育箱にオスとメスを2匹ずつ入れて、産卵してくれることを願いつつ成虫の飼育を始めました。

※野外採集のカブトムシはすでに交尾を終えていることがほとんどのようですが、今回は通常の産卵セットを組んでみました

産卵させるために土は多めに!

08/12 1つ目の卵を発見

飼育を開始してから約1か月が経ちました。この間に2匹の成虫が永眠し、残る成虫はオス1匹とメス1匹になりました。

8/12に飼育箱を覗いてみると、表面付近に1mmほどの大きさの卵らしきものがあったので、とりあえず掘り出して別の容器に移して様子を見ることにしました。順調にいけば2週間程度で孵化するということなので楽しみです。カブトムシは20~30個の卵を産むらしいのですが、表面付近を軽く掘ってみても他には卵を確認できませんでした。

2日後の8月14日と翌日15日には、また新たな卵を発見しました。こちらも前回同様、表面付近での発見でした。これまでに見つけた3つの卵を同じ容器に入れてしばらく様子を見ることにします。

08/27 幼虫の姿を確認

別の容器に移した卵はまだそのままの状態にしてありますが、今度は成虫の飼育箱の底に1cm程の幼虫がいるのを発見しました! 成虫に潰されないようにと、このタイミングで成虫を別の飼育箱に移しました。幼虫を発見したこちらの飼育箱はもう少し時間をおいて様子を見た後、幼虫を掘り起こしたいと思います。表面で新たな卵も見つかったので、その卵はまた別の容器に移しておきました。

飼育箱の底で1cmほどの幼虫を発見

08/29 卵の孵化状況をチェック

最初に見つけた3つの卵の様子を確認するために掘り起こしてみたところ、2cm程に育った幼虫を2匹発見しました(幼虫A、B)。残念ながらあとの1匹は見つけられず・・・。

09/01 個別容器へのお引越し

2匹一緒に飼育していた幼虫(A、B)が大きくなってきたので、飼育箱のお引越しをしました。ここからは1匹ずつ別々の容器で飼育していこうと思っています。

セリアに売っていた「PETシンプルボトルL」という1リットルのプラスチック容器のフタに半田ごてを使って穴をあけ、その中にガス抜き(再発酵防止のための陰干し)と加水を行ったマットを入れてみるとちょうどいい感じになりました。

8/27に発見して別の容器に移しておいた卵の様子も見てみましたが、こちらはまだ孵化しておらず卵の状態のままでした。

9/5の観察では、元の飼育箱にいた1匹の幼虫がだいぶ大きくなってきたのが見えました(幼虫C)。そして底の方でもう2匹、まだ小さい幼虫(E、F)を発見! あと何匹いるのか楽しみになってきました。

翌9/6、オスのカブトムシが永眠し、残るはメス1匹のみとなりました。
8/27に飼育箱から移しておいた卵1個が孵化して幼虫になったのを確認しました(幼虫D)。

9/11は少しフンが目立ってきた幼虫Aのマットをふるいにかけて掃除しました。減った分はマットを足してこれまでよりも量を増やしました。

09/12 飼育箱内の生育状況を確認

8/27に成虫を移してそのまま飼育箱で様子を見ていた幼虫たちを掘り出してみました。すると大きめの個体が1匹(幼虫C)と小さめの個体(幼虫E、Fほか)が4匹いることを確認できました。

大きめの1匹(幼虫C)はこのタイミングで個別容器に移すことにしました。

その他の4匹は一旦もとの飼育箱に戻して様子を見ることにしましたが、1匹は間もなく死んでしまいましたので、この飼育箱ではしばらく3匹の幼虫(E、F、G)を育てていきます。

09/14 最後の卵を確認

最後に生き残ったメスのカブトムシが永眠しました。途中から移し替えて育てていた飼育箱の土を掘り返してみると、中から5個の卵が出てきました。これまでの卵と比べると小さい感じがしますが、すべてまとめて別の容器に移し、しばらく様子を見ることにします。見落とした卵がある可能性もあるので、元の容器も一旦そのまま保管しておきました。

この時点で幼虫7匹と卵5個の状態です。

最初に見つけた幼虫Aはすくすくと大きくなってきています。わずか半月ほどにもかかわらず、こんなに大きくなるのかとビックリです。

最初に発見した幼虫A(右の容器)

09/30 すべての飼育箱と個別容器を確認

最後の卵を採取してから半月が経ったので中身を確認してみましたが、残念ながら幼虫の姿はありませんでした・・・。

続いて幼虫A~Dの容器のフン掃除を行いました。容器から取り出したマットは1割程度フンが溜まっていたのでふるいで取り除き、新たなマットと混ぜて元に戻しました。特に幼虫Aはかなりの大きさに育っていました。約1か月という短期間で8cm程の大きさに育つなんて、ただただ驚きです。みんな動きも活発で、マットの上に置くとすぐに勢い良く潜っていきます。

一番大きな幼虫Aは体長8cmほどの大きさに成長

最後は同じ飼育箱に入れていた3匹の幼虫(E、F、G)を個別の容器に移して飼育を開始しました。

今回の掃除で大量のフンを掃除しました。1cmほどの細長いこげ茶色のものが幼虫のフンです。

取り除いたフン

10/28 発育測定

あっという間に大きくなってきた幼虫たちですが、やはり立派な成虫になってくれるのかはとても気になるところ・・・。いろいろ調べていたら、頭の幅や体重を測定している人がいました。そこで私も現在の発育状況を確認してみることにしました。

今回は、体重、頭幅、性別のチェックをしていきたいと思います。測定に使用したツールはデジタルスケールとデジタルノギスです。

体重測定
頭幅の測定
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性別の見分け方は、お尻の先から数えて2番目と3番目の線の間にV字の模様があるかどうかで判断することが出来ます。オスの場合はV字があり、メスにはありません。慣れれば見分けられるようになるようですが、今回は初めてであまりよくわかりませんでした(写真も上手に撮れず・・・)。

性別はお腹の模様で判別可能

今回の測定結果は以下のようになりました。

個体体重頭幅性別
A27.54g11.0mmオス
B19.05g10.9mm
C17.78g10.4mmオス?
D24.55g11.4mm
E19.66g10.2mmメス?
F18.39g11.2mm
G20.15g11.5mm
2023/10/28測定

カブトムシは3令幼虫になると頭の大きさはそれ以上大きくならないようです。そして頭が大きいほど幼虫も大きく育つ可能性が高く、成虫になった時も大きくなる傾向があるようです。ちなみに頭幅の目安は10~12mmぐらいとのことで、今回の測定では標準的な範囲に収まっていました。まだまだ分からないことも多いので、もう少しいろいろ調べていきたいと思います。

12/29 生存確認と発育測定

冬になると動きが鈍くなるカブトムシの幼虫ですが、玄関で飼育しているため外よりは気温が低くありません。時々観察をしていると結構動き回っていることが確認できます。そのため年内最後の発育測定を行うことにしました。

今回の測定結果は以下のようになりました。

個体体重頭幅性別
A26.43g11.1mmオス
B21.45g10.8mmメス
C19.75g10.8mmメス
D35.27g11.4mmオス
E22.25g11.0mmメス
F19.37g11.0mmメス
G21.63g10.9mmメス
2023/12/29測定

ほとんどの個体は順調に大きく育っているようです。一部個体は2か月前の測定時よりも体重が落ちていますが、冬になると活動が鈍くなり体重が落ちるということですので特に心配はしていません。ちなみにこの2か月間で何度か測定をしていますが、12月頭の測定時には全個体がサイズアップしていました。体重を落とした個体も春にまたマットをたくさん食べて大きくなってくれることでしょう。
頭幅は測定に慣れていないため数値にバラツキがありますが、何回かの測定で平均値を出していきたいと思います。
性別については一応全個体判別ができました。あとは成虫になった時の答え合わせが楽しみです。

個別飼育をしている個体はここまで問題なく成長しているようです。活動状況をみてまた発育測定をしていきたいと思います。

03/15 生存確認と発育測定

暖かい日も増えてきたので、フン掃除を兼ねて久々に体重測定を行いました。年末と比較してみると、微増・微減といったところで大きな体重の変化はありませんでした。

個体体重(計測)頭幅(未計測)性別(未判定)
A26.54g11.1mmオス
B21.26g10.8mmメス
C20.27g10.8mmメス
D35.93g11.4mmオス
E22.08g11.0mmメス
F19.76g11.0mmメス
G21.50g10.9mmメス
2024/3/15測定

04/07 最後のマット交換と体重測定

冬の間は活動も鈍くなりエサもあまり食べないということで、フン掃除などは頻繁にはしていませんでした。4月に入り、早ければそろそろ蛹になる個体も出てくるので、その前に最後のマット交換(フン掃除とマットの補充)を行いました。

少しずつ蛹になる準備が始まっているのか、身体が黄色くなってきています。

体重は3週間前の計測からあまり増えていません。しかし全個体が20gを超えました。こうしてみるとDだけがズバ抜けて大きいですね。

個体体重(計測)頭幅(未計測)性別(未判定)
A27.82g11.1mmオス
B21.51g10.8mmメス
C20.27g10.8mmメス
D35.50g11.4mmオス
E22.46g11.0mmメス
F20.20g11.0mmメス
G21.69g10.9mmメス
2024/4/7測定 ※Cは蛹化が近いため未計測

04/22 1匹が蛹化

1匹だけ玄関ではなく室温の高い自屋で飼育していた幼虫Cが、他の個体よりも早く蛹になりました。その様子を時系列でお伝えします。

4/1~5
毎晩、頻繁にケースの上に出てくることがありちょっと心配をしていました。しかし蛹化前にはマットを動き回って蛹になるために適した場所を探す動き(ワンダリング)がみられるということで、これはその兆候かと思い見守ることにしました。

4/6~9
この時期になると幼虫が表面に出てこなくなりました。他の個体は4/7にマット交換を行いましたが、こちらはすでに下の方が固められている感じがしたため、フン掃除は行わず上からマットを足して終了としました。

4/10
夜、自室にいると「カチカチ」という音が聞こえてきました。何だろうと思って確認すると、カブトムシの幼虫がいる飼育ケースから聞こえてきます。それは幼虫がケースをかじっている音でした。これは蛹になるための部屋(蛹室)を作り始めている合図のようです。
そして翌日の日中に改めて見てみると、底の方に明らかに蛹室と思われるスペースができ始めていました。昨日よりも頻繁にケースをかじる音が聞こえてくるようになりました。

4/16
3日前ぐらいまでは伸びたり縮んだりしながら蛹室を固めているような動きが見られましたが、ここ数日はあまり動きが見られなくなってきました。どうやら蛹室が完成したようです。身体も丸まっているよりも伸びていることが多くなり、蛹になる前のいわゆる「前蛹」という段階に入ってきたようです。ここからはあまりケースに振動を与えない方がよいと思い、観察場所を移動しました。

4/22
夜10時過ぎ、ふと様子を見に行ってみると、何と脱皮が始まっていました。前蛹になるとあまり動かなくなるものと思っていたのですが、今朝まで丸まったりする動きも見られていたので予想よりも早い脱皮に少し驚きました。しかしながら脱皮の瞬間という貴重なタイミングを観察することができ、その神秘的な光景に感動しました。そして「頑張れ!」と思わず声を出してしまいました。

朝になると白かった身体もオレンジ色になり、すっかり蛹の姿になっていました。

05/14 はじめての羽化

ひと足先に蛹化したCがこの日とうとう羽化しました。

5/11
蛹化から約20日。鮮やかなオレンジ色だった身体も少しずつ茶色くなってきて、特に脚は黒に近い色になってきました。

5/14
朝様子を見に行ってみると羽化が始まっていました。体勢を変えながらゆっくり羽化をしています。

10時間ほどしたところで、だいぶ身体が黒く色づいてきたのがわかります。

5/15
翌日にはすっかり色づいて成虫の姿になりました! あとは地上に出てくるのを待つのみです。

その他の幼虫も着々と蛹化に向けた準備が進んでいます!

05/27 すべての幼虫が蛹化

自室飼育の幼虫Cは、玄関で個別飼育していた他の幼虫よりも早く4/22に蛹化しましたが、5月に入ってその他の幼虫も順調に蛹化していきました。

5/17
5/13~17にかけて3匹の幼虫が蛹化しました。その他の幼虫も順調に蛹室作り始めています。

5/27
本日、個別飼育していた幼虫がすべて蛹化しました! 途中、ちょっと節々が黒ずんでいるように見える個体がいたりして心配になりましたが、全個体が順調に蛹になってくれてとても嬉しいです。しかも何とすべての個体が観察できる場所で蛹になってくれました!! あとは順調に羽化してくれることを祈るばかりです。

05/28 早くも成虫として活動開始

昨夜、5/14に羽化してすでに成虫になっていたCがケースの中でゴソゴソと動いているのを確認しました。そのため早速成虫としての飼育を開始することにしました。体長45.7mmの元気なメスです。羽化から約2週間が経過しており、なかなか地上に出てこないのでちょっと心配していたのですが、活動を開始するまでの期間は1週間から1か月ぐらいまでと結構個体差があるようです。
冬の間も暖かい自室で飼育していたためか、5月末という早いタイミングで活動を始めました。何はともあれ、初めての産卵から1年近い時を経て次の世代が無事に成虫になったことが感慨深いです。

他の蛹たちも無事に成虫になってくれますように。

06/08 玄関飼育の蛹が続々と羽化

6/1~6/8にかけて、玄関で飼育してきた幼虫たちが続々と羽化をしました。その数6匹。いまのところうまく羽化できたように見えます。毎日観察していると蛹の色で「そろそろ羽化するかな?」というタイミングがわかるようになってきました。

6/1 08:09 羽化直前の蛹
6/1 13:32
6/1 16:36
続々と羽化

06/11 羽化したオスの掘り出し

6/1に羽化したJを観察していると、蛹室内で少し動いている様子が見られました。蛹室も羽化した時とくらべて少し崩れているように見え、活動を開始しているようです。そのため掘り起こしてみることににしました。

蛹室内で活動を始めたオス

羽化から10日目で、最初に羽化した個体より3日早く掘り出したせいか、まだあまり活発に動き回りません。しかし身体はしっかりとできているようです。体長を測定しようとすると元気に動き始めました。うまく測れませんでしたが、角を含めて大体70.9mmのオスです。決して大きくはないのかもしれませんが、立派な角を持っています。エサを入れた飼育箱に移しましたが、まだエサを食べる様子はありません。エサを近くで眺めている姿が何とも可愛らしかったです(笑)。

これから続々と地上に出てくるのが楽しみです!

06/27 すべての個体が成虫として活動を開始

6/14
まだ蛹だった個体もこの日までにすべて無事に羽化しました。羽化直後は身体ができるまで2週間ほど蛹室内であまり動かずじっとしているので、今月末にはすべての個体が成虫として活動を始めるのではないかと思います。少し前に羽化した個体は順調に地上に出てきており、成虫としての飼育を開始しています。羽化してから13日で地上に出てくる個体が多く、羽化後も意外と出てこないんだなぁというのが実感です。

6/27
この日、最後まで土の中にいた個体も土の上に出てきたため成虫としての飼育に移行しました。これですべての個体が無事に成虫になりました! 昨年の夏に成虫の飼育を始めてから約1年、トラブルもなく立派な成虫に育ってくれて本当に嬉しいです!!

順調に成虫になったカブトムシたち

まとめ

約1年間にわたってカブトムシの産卵から成虫になるまでを観察してきました。9月以降、個別飼育を行ってきた個体がすべて無事に立派な成虫になってくれたことが何よりも感慨深かったです。極端に小さかったり、羽化不全を起こした個体はいませんでした。最終的な成長記録は以下のようになりました。

個体性別(確定)最終体重(2024/4/7)体長(オスは角を含む)
Aオス27.82g75.9mm
Bメス21.51g49.8mm
Cメス20.27g45.7mm
Dオス35.50g78.3mm
Eメス22.46g50.2mm
Fメス20.20g47.9mm
Gメス21.69g47.5mm
幼虫時の最終体重と成虫時の体長 ※Cの最終体重は2024/3/15時点

色々と情報を集めながら手探りで飼育してきましたが、オスメスの判別をした結果すべて当たっていたり、幸運なことにすべての個体の蛹の状態が観察ができたりと、1年間で本当に沢山の感動があって、とても良い経験になりました。これからまた次の世代へと命を繋いでいきたいと思います。

(完)

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